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祖母が86歳で長い生涯を終えた

この記事の所要時間: 355

朝、起こされ、まだすっきりとしない頭に母は言った。
「おばあちゃん、亡くなったわ」

目を見開く俺。
「えっ・・・えっ・・?・・・・そうか・・死んだの・・」

突然のことだった。まだ後は半年は持つ。そう親は言っていたのに・・
最初は驚きはしたが、すぐに俺は冷静になった。
恐らく心の中でそのことを予測していたからだと、今は思う。
突然のことだった。まだ後は半年は持つ。そう親は言っていたのに・・


祖母は肺ガンを患っていた。
そのことを知らされたのは昨年の9月。
俺は何故黙っていたのかと、両親にきつく迫った。
「時期を考えていた。お前はまだ子供だ」
子供・・?俺はもう19。人の死がどういうものだってわかっていた。
早く教えてくれなかったことについて両親を恨みもした。
(葬儀の後、実は祖母の肺がんは2年前からだと聞かされた)
とにかくその日から祖母に対する俺の目は変わった。
今までしなかったこともした。

一番に始めたのは「ただいま」だ。
家に帰ってきて、祖母に一言「ただいま」を言う。
中学生のころに「ただいま」と言うのをやめていた俺にとって、
その行為は毎日の祖母の具合の確認と自分を安心させるためのものだった。

だが10月にあることがあって、祖母は急激に弱っていくことになる。
きっかけは母の事故だった。その当時、仕事で特に疲れていたらしく、
精神的にもショックを受けてうつ病になってしまったのだ。

母は立ち直るための期間として、時間をもらうことになり家にいることが多くなった。
というよりもほとんど家にいる状態となった。

それまでは祖母も料理を、晩御飯や昼ご飯を作っていた。
だが母が家にいられるようになったので料理や掃除などをやらなくなったのだ。
これがまずかった。
体を動かす。思考して行動する。そのような行為をすることが少なくなった祖母は
みるみるうちに衰弱していった

「ただいまー」
祖母はもう耳が遠くなっている。俺は近づいてもう一度言った。
「た・だ・い・ま!」
祖母は顔をこちらに向け
「おかえり」
と微笑んで言った。
「なんかあったら呼んでや。上にいるからさ」
「頼りになるわー。****(俺の名前)も大きくなったねー」
「何言ってんだよ。婆ちゃんが縮んだの!んじゃあがるね」
少し乱暴に戸を閉めて、階段を駆け上がる。
祖母に涙を見せたく、なかった。
見下ろす半透明のカバーの下に写真がある。家族全員で撮ったものだ。俺、兄、母、父。
そして亡くなった祖母。
今はまだ直視できない。我慢できないのが嫌なのだ。
前みたいに何粒も落として。 にじませるわけには、いかない。

いつかは直視できるだろう。
その時、俺はどんなことを考えるんだろうか・・・?

祖母が病院から帰ってくる。
父と兄と一緒に。
俺は母と叔母(祖母の娘)と家の掃除をし、中央の部屋に祖母のためのふとんをしいた。
俺の意識ははっきりとしている。祖母が死んだという事実を受け入れて、

自分に何ができるかを考えて行動した。
焦らず、じっくりと、叔母の指示どうりに動いた。

2時間ほど立って車の音がした。祖母が帰ってきたようだった。
俺は言われたとおり縁側の大きな窓を空け、出向かえた。
父の表情は暗い。兄も同様だった。

担架のようなものに乗せられて、祖母が縁側の近くまでやってきた。
心は静かだ。何があっても動じない、そんな気がした。

でも 祖母の顔を見た時それは簡単に崩れてしまった。
何かが止まらなかった。

「御遺体をふとんに寝かせましょう」
葬儀会社の人の指示どおり
祖母の乗っている担架のはしについているひもを持った
まるで 『人』ではないもの

祖母が・・・荷物のような感じがして
気付けば歯を食いしばっていた。そして気付いた。
さっきから止まらなかったのは涙だということに。
押し殺せない。涙。
右手を上げて自分を殴る。痛かった。それでも止まらなかった。

言おうと思ってた言葉は出なかった。
今でも後悔している。

一言で言える言葉だったのに・・・「おかえり」なんて・・

今年で20
成人式を俺は祖母に見せたかった。
でも見せられない。もういないから。
身近な人が亡くなるのはとても悲しいことだ。
祖母の部屋は今、きれいに掃除されて、祖母が住んでいた面影をさがすのは難しいが、きっと忘れないと思う。

その部屋で俺と祖母が遊んでいた日。
文句を言って困らせた日。

祖母が俺にしてくれたことの全てを。

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コメント

    • 名前: あやか
    • 投稿日:2014/10/31(金) 00:13:10 ID:YxMzY2MDI

    共感しました!
    私も祖母を亡くし、四年目になります。
    母がいない私にとって祖母は、母でした。
    不良少女の時もどんなときでも優しく、そんな祖母に甘え当たり前にしていた日々を後悔しています。

    葬儀の時もなぜか直視出来ず、
    今は写真にひたすら謝り、ありがとうしか言えません。

    生きてる間に言えなかった言葉を今心込めて写真に言います。

    きっと、あなたのおばあちゃんも、今、あなたの思い届いていると思います!

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