小さな小さな妹の手
この記事の所要時間: 約 1分3秒
もう10年以上前に妹を亡くしました。
母が妊娠中期過ぎあたりで早産し、生後1週間ほどでこの世を去りました。
ミルクも飲めず管をたくさん付けられて、保育器の中で一生懸命動いていました。
小さい小さい体でよく1週間も生きていてくれました。
家に連れて帰り、管の付いていない顔を見ている時はなんとも思わず顔だちが綺麗だとか、もったいないとかそんな話をしていました。
葬式の準備の為に父の実家に行き、妹を仏壇の前に寝かせて大人達がせわしなく動いている様子を見ていましたが、
服を着せるのか何か準備があったようで(このあたりうろおぼえなのですが)叔母が布団をめくったとき
「ああ、ちゃんと手を組んでるんだねぇ」と言ったので、妹の手に目をやりました。
小さい手、細い指、それがしっかりと胸の上で組まれているのを見た瞬間のどの奥に物凄い圧迫感を感じ、
瞬時に「吐く!」と思ったので突っ伏したのですが、のどの奥からは何も出て来ず、かわりに涙がぼろぼろ出て来るのを止められませんでした。
その後の事はあまり良く憶えていません、次にある記憶は火葬場でした。
未だに妊婦さんや赤ちゃんを見るとふとこの事を思い出してしまいます。
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