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生まれて初めての万引き

この記事の所要時間: 220

当時の俺は小学3年生。
その頃の家はと云えば、絵に描いたような貧乏で学校では消しゴムも無く、ノートに間違って書かれた字は唾で消す様な日常。

母に言えば買い与えてくれたのかもしれませんが、子供心に言えませんでした。
当時、俺には一緒に学校へ通っていた小学1年の弟がいました。

その日の朝、弟は当日の授業に必要な文具を、通学途中の雑貨屋で買うようにと、母から50円を受け取りポッケにしまったのですが、通学路も中ほどにさしかかった頃、その金が無いと弟が泣き出しました。
弟の着ていた服のポッケを全て探しましたが、何処にも有りません。
(多分、弟は初めて持たせてもらった50円が嬉しくて、ポッケから出し入れを繰り返している内に、落としてしまったのかと思います。)
家に帰って母に言える筈も無く、そして登校時間は迫っていた。泣きじゃくる弟をなだめる為に俺は、「兄ちゃんがどうにかするからな、もう泣くなよ」まだ泣く弟の手を引き歩きながら、俺は在る事を考えていました。

・・・万引きしようと。店の陰に弟を待たせ、俺は生まれて初めて万引きをしてしまった。手も足も面白い位にガタガタと震えていた。店を出て震える手で弟の手を取り校門の前まで行き、それを渡しました。
金の無い俺が何故その文具を得る事が出来たのか、弟が理解するには幼すぎました。それを渡した時の、弟の鼻水垂らした笑顔は今でも忘れられません。

それからは坂道を転げ落ちるような状態で、ノート、消しゴム、鉛筆・・・

小学校を卒業するまで、その店での万引きは何度か繰り返されました。今まで、自分を騙しあの過去を無かった事にしていましたが、最近ふと思うのです。

大人の目から見て、子供の怪しい行動に気が付かない訳が有りません。
そう、きっと店のおばちゃんは、俺を見逃してくれていたのでしょう。
もしもあの時、捕まって学校に通報されていたら俺はどうなっていた事か。
不良のレッテルを貼られ、きっと道を踏み外していた事は間違いない。
今、こうして平穏な日々を過ごす事が出来るのも、あの時のおばちゃんの慈悲深いご配慮が有ったから。

この年まで、その事に気が付かなかった俺はどうしようもないバカです。
人づてに聞いたら、おばちゃんはすでに亡くなり、店は息子さんが継いだとの事。
今更遅いけど、今日お詫びの手紙とあの時の代金礼金を匿名で送りました。おばちゃん・・・ありがとうございました。
そして俺の懺悔に最後までお付き合い頂いた皆様、ありがとうございました。
(母親は子供を見ていなかったのか?と責める方も居られると思いますが・・・ 俺のバカさ加減はいくら叩かれても構わないけど、母は責めないで下さい。あの頃は生きるのに精一杯だったんです。)

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コメント

    • 名前: 名無しさん
    • 投稿日:2016/07/06(水) 23:14:34 ID:Q4MjY5MTQ

    間違わない人間はいません。大事なことは間違いに気付き、それからどう進むかじゃないのかな。おばちゃんきっと、「生きてるうちに来いよ!」って天国で笑っているよ。

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