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オヤジの描いた地図

この記事の所要時間: 149

オヤジが今年の春に入院し、夏に死んだ。

子供から見ても波乱万丈の人生で、職を転々とし、最後の2年間は大好きな車を仕事にしたい、
ということでタクシーの運ちゃんやってた。

おふくろによれば
「あんなに生き生きと働いているのは今まで見たことがなかった」
ということで、きっとタクシー運転手を天職だと思っていたのだろう。

入院して1ヶ月ほどたったゴールデンウイーク、オレは彼女を連れて見舞いにいった。
その彼女を親に会わせるのは初めてだったが、まだオヤジが多少は元気だった頃だったし、
それに今度いつ会わせられるかわからないので、半ば押しかけるように連れていった。

そして、見舞いのあと彼女に地元の観光名所を案内しようという話になったとき、
オレがあまりそういう場所を知らないので本でも買って見ながら行くわ、というと、
オヤジはやおら起きあがって、 心配する母親をよそに、
チラシの裏に鉛筆で地図を描きはじめた。

さすがタクシー運転手だ。
まるで自分の家の間取りを描くかのように、観光名所の場所を鮮明に描いた。
交差点の名前、目印となる建物、一番効率よく見て回る順番、オヤジなりにつけた「面白度」…
すげえ。どんなガイドブックよりもわかりやすい。

生まれて初めて、親父を心底尊敬した。
その地図を頼りに彼女を案内しながら、この土地、そしてこのオヤジのもとに生まれてよかった、と心底思った。
そして、「早くよくなって、またタクシーに乗るんだ」という、オヤジの強い思いを感じた。

オレらが帰った直後からオヤジの容態は悪化し、2ヶ月苦しんだ末8月に死んだ。
辛い人生だったろうな、と思う。

でもなオヤジ、オレはあんたの子供でほんとによかったと思ってるよ。
そして最後に、あんな些細なことだけど、あんたを尊敬できてよかった。

オヤジの描いた地図。
今でもカバンのポケットに入ってるけど、見ると泣きそうなので出せない。

来年には、あんときの彼女の苗字をあんたと同じにして、墓参り行くからな。
そんで、またあの地図を見ながら、観光名所巡りするよ。

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 カテゴリ:父・母の泣ける話
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