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息子と妻からの誕生日プレゼント

この記事の所要時間: 156

先月、俺の誕生日があった。

 

毎年誕生日には妻がごちそうを作り、ケーキを焼いてくれる。

特に今年は、幼稚園に入ったばかりの息子からは「パパ」というタイトルの似顔絵、片言を喋れるようになったばかりの娘からは「パパ、チュキ」という言葉とチュウをもらって、とても嬉しかった。

そのささやかなパーティーのあと、寝ようとしてベッドにいくと、サイドテーブルに小さな包みが置いてあった。

 

あけてみると、俺が前から欲しいと思っていたフランクミュラーが入っていた。

こんな高価なものを・・・家計は大丈夫なのか。

妻に聞くと、にこにこしながら、家計からは一切出していないから安心して。

私のお金で買ったのよ、と言う。

妻は子供ができてからずっと専業主婦だし、家を買うとき妻名義の貯金もほとんど使ってしまったから、妻個人のお金でこんな高いものを買えるはずがない。

そのとき俺の脳裏に、数日前の妻の姿が浮かんだ。

 

独身の頃から大事にしてきた着物を、何故か突然取り出して眺めていた妻。

いとおしそうに一枚一枚触れながら、思い出話をしていた妻。

着物用のたんすを開けると、予想したとおり、それらが何枚もなくなっていた。

妻が祖母から受け継いだという、大切な着物まで・・・もう着ないから処分しただけよ、あなたはいつも私にプレゼントをくれるけど私はいつもケーキくらいしか作ってあげられなかったから。

 

あなたのお金を使わずに、私自身のお金でプレゼントしたかったの。

あなたへの感謝は、こんなものじゃ表しきれないくらいだけど・・・。

妻はそう言った。

俺はケーキだけで充分だったのに。

大事な思い出を売ってまで、プレゼントなんてしてくれなくてもよかったのに。

でも、でもありがとう。

とても嬉しいよ。

俺は泣いた。

泣きながら妻を抱きしめた。

あれから毎日、妻のくれた時計をはめて会社に行っている。

妻の愛が詰まったこの時計を見ると、どんどんやる気がわいてくる。

 

これからも妻と子供のためにがんばっていこうと思う。

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