2ちゃんねるやネットの泣ける話をまとめた涙腺崩壊系の感動読み物サイト。

ねぇ、聞こえてる?いつもみたいに寝たふりしないでよ。

寝たふりをする猫
この記事の所要時間: 539

【投稿者名】泣き虫さん  【性別】女性 :2016/04/13 14:59:41

 

昨日、1年付き合った彼氏に振られた。

あっけなかった。

 

電話で彼が

「はる。ごめん、別れてほしい。」

「けいちゃん。どうして…?」

「ごめん。」

「わかった…」

 

それからは、仕事にも趣味にもやる気が起きなくて、ぼーっとすることが多くなった。

職場の同僚にも

「はる、最近痩せたんじゃない?大丈夫なの?」

と、心配される始末。

 

その時、同じ会社の部署の小川さんが、ちょっといいかな?と私を個人的に呼び出してきた。

小川さんは私にけいちゃんを紹介してくれた人で、けいちゃんの高校の時の部活の先輩。

 

「もしかしてけいと別れた?」

「どうして小川さんが知ってるんですか。」

 

「あー…やっぱり。けいね、実は今入院してるんだよ。
最近、はるちゃんにけいが会えなかったのは、その頃にはけいが入院してたからなんだ。
俺が言っていいのか分からないけれど、ここまでは説明しておくね。
あとは今日病院に連れてくから、そしたらちゃんと本人から話を聞いてほしい。」

 

嘘だと思った。

小川さんは私をからかってる。

でも、真剣に話をする小川さんを見て、私はようやく事実を受け入れた。

 

「わかりました。けいちゃんに直接聞きます。今日、病院までよろしくお願いします。」

とだけ小川さんに伝え、仕事に戻った。

 

仕事終わり、小川さんと病院に向かった。

けいちゃんが入院しているのは、3階に上がってすぐの個人用の病室だった。

「俺は外で待ってるから、けいとちゃんと話しておいで。」

小川さんにそう言われたので、私はゆっくり頷いて病室に入る。

 

「けいちゃん。」

「はる…?なんで。なんで来たんだよ」

 

「ごめん。小川さんからけいちゃんのこと聞いて。それで病院に連れてきてもらったの。別れようって言ったのは病気だから?」

「・・・」

 

「私、それで別れてほしいって言うなら別れない。ちゃんと話もしないでばいばいなんて、けいちゃん卑怯だよ。」

「ごめん。でも怖かったんだ。はるが病気のこと知って、それから前みたいに楽しくやれないんじゃないかなって思って。
だったら、何も言わないで別れようって思ったけれど、それがだめだったんだな。ごめん。はる。ごめんな。」

 

それから、けいちゃんと2人で病気のこと、これからのことについて話をした。

けいちゃんは白血病だった。

かなり進行しているらしく、もう転移も見つかっているとのことだった。

 

「俺は助からない。だから、ずっとはると一緒に居られない。それでもいいの?はるには辛い思いさせたくない。」

けいちゃんは、この日ずっと謝りながら泣いていた。

だから、私は別れようって言ったのは自分も辛い思いをするけれど、私に辛い思いさせることがもっと辛いから、そんな風に言ったんだと改めて思った。

 

それから私は、毎日けいちゃんに会いに病院に行った。

仕事の日は夕方に行って、休みの日は1日一緒に居た。

 

 

闘病生活をして2か月を迎えた頃、けいちゃんは無菌室に移動になった。

面会ができなくなった。

病室が窓ガラスになっているから、そこから手を振ったり、電話をすることで繋がっていた。

 

「しんどいな。でもしゃあないから頑張るけれど、はるに直接会いたい。窓ガラス越しに見えるけれど、遠いよなぁ。」

「私もけいちゃんに会いたい。会いたいよぉ…」

この頃から、私はよくけいちゃんと会った後、1人で廊下で泣いていた。

我慢するのが精一杯だった。

 

 

入院して3か月。

とうとう、けいちゃんの容態が急変した。

夜中に病院から電話があり、急いでけいちゃんのところに向かう。

 

「けいちゃん。お願い死なないで。まだ1人にしないで。」

病院に行く間、ずっと泣きながら繰り返した。

 

病院に着くと、けいちゃんの病室の前に担当医が立っていた。

「けいさんはもう長くないと思います。今は落ち着いていますが、明日までは持たないかと…辛いでしょうが、最後のお別れをしてください。」

「わかりました。」

 

嘘だ。嫌だ。
なんでけいちゃんが死ぬの。
神様は嘘つきだ。
いい人が死ぬなんて不公平だもん。
けいちゃんを助けて。

そんなことが、頭の中をぐるぐる巡って泣きそうになる。

 

そっと病室のドアを開けると、けいちゃんが静かに横になっていた。

「ねぇ、聞こえてる?いつもみたいに寝たふりしないでよ。」

けいちゃんは何も言わない。

ただ、握った手がまだ温かいことから生きてるんだと伝わってくる。

 

けいちゃん。

私ね、けいちゃんが一緒に居てくれて嬉しかったよ。

最後がこんな形でも、それでもけいちゃんと会って恋をして、私を全部受け入れてくれたけいちゃんが、ずっと好きだよ。
だいすき。

 

心の中で言い終えたと同時に、けいちゃんの不規則だった心音が一定になった。

「けいちゃん。やだよ。なんで死んじゃうの。」

担当医や看護婦さんが病室に入ってきて、けいちゃんの様子を見ると静かに首を横に振った。

 

けいちゃんは24歳で亡くなった。

もう帰ってこない。

そう思うと涙が止まらなかった。

もう会えないことが、こんなにも辛くて寂しいことを私はこのとき初めて知った。

 

 

けいちゃんが亡くなって3年が経ちますが、私は24歳で独身です。

小川さんとは、けいちゃんが亡くなってからも職場でお世話になっていて、毎月けいちゃんの亡くなった日に一緒にお墓参りに行っています。

 

大切な人を早く亡くす。

それはとても考えられないくらい辛いです。

もっと一緒に居たかった。

好きって言っていれば…そう思う前に、今一緒に居るあなたの大切な人を大切にしてください。

後悔はしないでください。

読んでいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったら
いいね!してね♪

 閲覧回数:10,291 PV
 評価:12345 5.00 (1 件の評価)
Loading...Loading...
 タグ: ,  , 

関連記事

ピックアップ

他サイトの更新情報

コメント

    • 名前: 匿名
    • 投稿日:2016/12/06(火) 00:19:58 ID:gwODY4ODk

    昔を思い出すなぁ〜 男はテレビドラマみたいに相手に言うよな。
    俺は死なずに独身クソ爺に為っちまったがな

  1. この記事へのトラックバックはありません。

検索

最近のコメント

アーカイブ

2017年3月
« 6月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

泣けるコピペtwitter