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爺さんと婆さんのラーメン屋

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お爺「婆さん、そろそろ引き上げようか?」

お婆「早く帰ったって、子供や孫の顔が見られる訳じゃなし。ねえ、爺さん、一緒になって四十年以上、もう子供は駄目かねえ」

お爺「おい、婆さん、お前、その歳で子供生むつもりかい?」

 

そこへ一人の客。

 

「おい、ラーメン、作ってくれ」

お爺「へい、いらっしゃいまし、少しお待ちくださいよ・・・へいお待ちどう様。」

お婆「(小声で)この人、二十二、三くらいかね。鼻が上を向いている所なんざ、爺さんそっくりだねえ」

 

ところが、このお客。ラーメン三杯食べたあげく、金がないから、無銭飲食で交番へ突きだしてくれ、と言いだした。

 

「物心がついた時にゃ、他人に育てられて、親もねえ、家のねえ身。真面目に働くのもいやになってな。今夜は寝る所もない、ブタ箱で一晩すごせば、朝飯だけは食わせてくれるから」

お爺「じゃ屋台を終いますから、ちょっと待ってください。片付けますんで。あら、ヨイショっと。おい、婆さん、しっかり押しなよ、重いな、ぶらさがってんじゃないのかい?」

「お爺さん、俺が引いてやろう。爺さんとこの家族は大勢なのかい?」

お爺「いやあ、婆ぁさんと二人っきりですよ。息子も嫁もいません。ああ、すいません、 この横丁を入ってください。おい、婆さん、茶でも入れな。」

「でも、交番へ行かなきゃ。」

お婆「爺さん、あそこから家まで屋台を引いてもらった労働賃金はどうしましょう?真夜中に屋台をひいてもらったら、ラーメンの三つくらいトントンじゃないですか。」

お爺「そうだな、それじゃ、今夜はここでお休みなさい。きたない家だが、ブタ箱よりはましだ。先ほども話しましたが、四十何年の夫婦でありながら、うちは一人の子供もいない淋しい爺ぃ婆ぁなんですよ。百円差し上げます。たった一言でいいから、”お父っつぁん”と言ってくれませんか?」

「ええっ?じゃあ、目をつぶって言わしてもらうよ。お父っつぁん!」

お爺「(泣きながら)ああ、ありがとう、良い気持ちだ。」

お婆「じゃ、私は二百円出しますから、少し小声で甘えるようにさ、”おっ母さん”って呼んでくださいな」

「そんな、呼んだこともねえ言葉だし、難しいなぁ。こうかい?おっ母さん・・・」

お婆「(泣きながら)なんだい?(かみしめて喜ぶ)」

お爺「あなた名前は何てんですか?えっ安夫さんってのかい?じゃ、今度は三百円で、私が呼び捨てにしますから、”何だい、お父っつぁん”、って言ってください。良い ですか。『安夫!』」

「何だい、お父っつぁん。」

お爺「うーん、三百円じゃ安い(泣く)。」

お婆「はい、今度は私が五百円出しますから、あなたがいたずらをしたということで『安夫!』って叱るように言いますから、『おっ母さん、ご免ね』と言ってくださいな。じゃ、やりますよ、『どこへ行ってたのさ今頃まで、お前が帰って来ないからおっ母さん、ご飯ものどを通らないで・・・』」

お爺「婆ぁ、長げぇなぁ!」

お婆「五百円なんだから、少しは楽しませてくださいよ。『どこへ行くかと、行き先ぐらい言っていったらどうなの!安夫!』」

「おっ母さん・・・(見つめて涙が出る)、おっ母さん、ご免ね。」

お婆「ありがとう、ありがとう(顔を押さえる)。」

お爺「じゃあ今度は私が七百円で、あなたが先に『お父っつぁん、僕が働くから、ラーメン屋なんかよしてくれよ。』と言ってください。後は私の方で勝手にやりますから、はい、どうぞ。」

「(泣きながら)お父っつぁん、俺が働くから、ラーメン屋なんかよしてくれよ。安心して俺にまかせてくれよ(号泣)。」

お爺「そう言ってくれるのはありがたいが、いくらかでも小金を貯めておかないと、おまえが嫁をもらって子供でも出来れば、孫におもちゃのひとつも買ってやりてぇじゃあねぇか(泣く)。ああ、楽しかった。婆さん、今夜は楽しかったなぁ。」

「・・・今までもらったお金は全部返します。返しますから、私の頼みも聞いてください。」

お爺「あなたの頼みって?」

「(泣きながら)せがれ、と呼んでください・・・」

 

 

このあと、この三人は本当の家族になったのだろうか。

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